日本人向けドバイ不動産完全ガイド【2026年】
購入・価格・税金・売却まで、現地免許ブローカー兼国際弁護士が解説
結論:日本人は、UAEの居住ビザがなくても、ドバイ政府が指定するフリーホールドエリアの不動産を購入できます。日本に住んだまま手続きを進めることも可能ですが、送金先、契約条件、物件登記、日本側の税務、購入後の管理と売却まで確認する必要があります。
| 質問 | 結論 | 詳細 |
|---|---|---|
| 日本人は購入できるか | 指定フリーホールドエリアで可能 | 所有権・エリア |
| UAEビザは必要か | 購入自体は原則不要 | 購入の仕組み |
| 日本から購入できるか | 条件によりリモートで進行可能 | 購入の流れ |
| 最低いくらから買えるか | 現行在庫と相場から確認 | 価格の目安 |
| 購入時の費用は | DLD登録料4%+仲介等を区分 | 費用一覧 |
| 日本の税金はかかるか | 日本居住者は国外所得も日本の課税対象 | 税金ガイド |
| ローンは使えるか | 居住状況・担保条件で可否が異なる | 銀行・ローン |
| 購入後の管理は | 賃貸・修繕・報告の体制を確認 | 管理と出口 |
| 売却はできるか | 流動性・NOC・費用・送金を確認 | 出口戦略 |
ドバイ不動産は、指定エリアなら日本人を含む外国人が完全所有権(フリーホールド)で自由に購入でき、市場平均のグロス利回りは6.58%(2026年6月時点)。3,000万円台から投資でき、AED200万(約8,800万円・1AED=44円・2026年7月11日時点換算)以上なら10年間有効のゴールデンビザ申請も可能です。
一方で、成否の大半は「物件」ではなく「エージェント選びと情報の質」で決まります。本ガイドは、ドバイ土地局(DLD)・アブダビ(ADREC)の両免許を持つ現地日系ブローカーであり国際弁護士でもある筆者が、政府公式データと自社の成約実績(直近12ヶ月で約70件・約80億円(ドバイ・アブダビ))に基づいて、2026年の最新事情を解説します。
- 2026年上半期の取引は85,998件・約12.6兆円。地政学リスクで件数は前年比12.3%減。市場は「供給制約エリアの上昇」と「供給集中エリアの下落」に二極化。
- 取引の安全性は制度で担保:所有権はDLDが一元登記、オフプラン代金は政府監督のエスクロー口座で保全
- 利回りはエリアで4〜9%。市場平均グロス6.58%、中価格帯(JVC等)は7〜8%前後が標準、プレミアム立地は4〜6%
- 購入コストは中古で物件価格の約7〜10%、オフプランは仲介手数料が買主負担ゼロのため約4.9〜7.9%(DLD登録料4%が中核)。UAE側は個人の家賃・売却益が非課税。ただし日本居住者は日本側で課税(売却益は保有5年超で約20%)
- ゴールデンビザはAED200万以上。ドバイなら累計24%の支払い(Oqood発行)時点で申請可・完済不要
物件のご紹介・売買のご相談は、運営会社「エミネンスラックスのサービス案内」へ。本ガイドは購入検討に必要な情報を網羅する読み物です。
- 日本人が購入できる法的根拠と、フリーホールドエリアの確認方法
- 日本在住・UAE非居住者が購入する場合の必要書類と手順
- 問い合わせから Title Deed 取得までの流れ
- 日本からの送金:支払先の確認、名義、着金差、資金源資料、詐欺の防ぎ方
- 英語の売買契約で確認する条項(解約・遅延・引渡し・転売・紛争)
- オフプランと完成・中古物件の違い
- 日本居住者の税務:家賃・売却益・為替換算・相続
- 日本に住みながら行う賃貸管理と、売却・日本への資金回収
- ドバイ土地局(DLD):外国人所有権の説明(Know Your Rights)
- DLD:Property Status Enquiry(物件の登記状況照会)
- DLD:Real Estate Data(取引・賃貸・プロジェクトの公開データ)
- UAE連邦税務庁(FTA):不動産のVAT取扱いFAQ
- 国税庁:居住者が海外不動産を売却した場合
法務・税務の記載は一般的な情報であり、個別の判断や結果を保証するものではありません。具体的な取扱いは、最新の公式情報と専門家の確認によります。
1. 2026年の市場:最新データで見る現在地
2025年のドバイ不動産取引は27万件超・総額AED9,170億(約40兆円)で前年比+20%と過去最高を更新し、住宅価格指数も年間+9.81%(ヴィラ+14.83%、アパート+7.38%)上昇しました(DLD・ドバイ統計局)。世界の主要都市で、これほどの取引量と価格上昇を両立した市場はほかにありません。
続く2026年上半期は、売買総額AED 2,864.3億(約12.6兆円)・取引件数85,998件。前年同期比では12.3%減となりましたが、これは史上最高だった2025年上半期に次ぐ歴代2位の水準です。5年前と比べれば市場規模は約4.7倍に拡大しています。
件数減少の主因は2〜6月の地政学リスク(イラン紛争)でした。6月17日の恒久停戦後、取引件数は前月比+31%と即座に反発しています。
紛争下で3〜5月に減少するも、6月17日の恒久停戦を境に即反発(前月比+31%)
出典:DLD・Property Monitorデータより当社集計(エミネンス・レポート2026年上半期)
DATA|エミネンス・レポート2026上半期(DLD・Property Monitorデータより当社集計)
| 指標 | 2026年上半期 | 補足 |
|---|---|---|
| 売買総額 | AED 286.43B(約12.6兆円) | 前年同期比 ▲12.3%・史上2位 |
| 取引件数 | 85,998件 | 底は5月10,481件→6月+31%反発 |
| 平均グロス利回り | 6.58% | 2026年6月時点 |
| オフプラン比率 | 74.9% | 6月・件数ベース |
→ 詳細データは無料公開中:エミネンス・レポート2026年上半期/月次マーケットレポート
「バブル崩壊」「暴落」は本当か?——データで答える
検索すると「ドバイ不動産 バブル」「下落」といった言葉が並びます。不安はもっともですが、2026年7月時点の実測データはこうです。
- 予測は予測にすぎない:予測どうしでも前提が割れています。
- 本当のリスクは「平均」ではなく「二極化」:直近12ヶ月でPalm Jumeirah Fronds(戸建)が+37.1%上昇する一方、Dubai Festival Cityは▲10.2%下落。供給が限られるエリアと供給集中エリアで、明暗がはっきり分かれています(下図)。
- 供給計画は割り引いて読む:2027年の供給計画は70,537戸と過去5年平均の約2倍ですが、ドバイの計画実現率は56%程度(2022〜24年実績)。計画数値がそのまま市場に出るわけではありません。
同じドバイでも上位と下位で47ポイント差。「どこを買うか」が決定的
出典:DLDデータより当社集計(直近12ヶ月、2026年6月時点)。棒の右向き=上昇、左向き=下落
結論として、2026年のドバイは「全体が上がる相場」から「選別の相場」へ移行しています。だからこそ、エリアと物件の選定精度=情報の質が、これまで以上にリターンを左右します。
2. 2030年に向けた将来性(インフラ計画)
短期の変動を越えて、中長期の需要を支えるのは人口流入とインフラです。2030年前後に向けて、予算承認済み・着工済みの主要プロジェクトだけでも次のものが進行しています。
| 計画 | 総事業費 | 時期 | 沿線・周辺への影響 |
|---|---|---|---|
| Al Maktoum国際空港の拡張 | 350億ドル | 第1期2032年 | 最終的に年間2.6億人と世界最大級の輸送能力空港に隣接するDubai South/エマールサウスは当社取引でも最多エリア(30%) |
| Etihad Rail・高速鉄道 | ― | 2026年開業進行中 | アブダビ〜ドバイ57分将来は高速鉄道で30分構想 |
| メトロ延伸(ブルーライン) | AED340億ゴールドライン | 2029年開業予定 | 交通局(RTA)が駅近不動産の最大+25%の価値上昇を予測ゴールドラインも2026年4月に承認済み |
これらは「期待」ではなく確定した計画です。インフラ完成前の沿線・隣接エリアを仕込むのは、ドバイで過去20年繰り返されてきた王道の投資パターンでもあります(詳細:2030年のドバイ大型計画まとめ)。
3. 日本人でも買える仕組みと、詐欺を見抜く方法
ドバイでは2002年以降、指定エリア(フリーホールドエリア)において外国人が完全所有権で不動産を取得できます。居住ビザは不要で、日本に住んだまま購入可能です。
日本人が購入できる法的根拠と、フリーホールドかどうかの確認方法
購入資格は国籍ではなくエリアで決まります。ドバイ政府が指定したフリーホールドエリアであれば、日本国籍・日本居住のままでも外国人として完全所有権を取得でき、購入のためにUAEの居住ビザを取る必要はありません。逆に、指定エリア外の物件は外国人が完全所有権を持てません。
そのため、確認する順序は「この物件は指定エリアか」「所有形態はフリーホールドか」の2点が先で、価格や利回りの検討はその後です。次の3つで確認できます。
- 制度を確認する:DLDが公開する外国人所有権の説明(Know Your Rights)で、指定エリアでの完全所有権の考え方を確認します(一次資料は主要データ出典に掲載)
- 物件の登記状況を照会する:DLDの Property Status Enquiry で、対象物件の登記・プロジェクトの状況を照会します
- 所有形態を契約書で確認する:フリーホールド(完全所有権)とリースホールド(一定期間の権利)は別物です。売買契約書と権原証書(Title Deed)の記載を確認します
フリーホールド・リースホールド・Title Deed・Oqood などの用語はドバイ不動産用語集で定義を確認できます。
そして「ドバイ不動産 詐欺」と検索される方に、実態を正確にお伝えします——物件そのものの詐欺は構造的に起きにくく、リスクは「業者選び」に集約されます。理由は次の3つの制度です。
- 登記の一元管理:物件・取引・所有権はすべてドバイ土地局(DLD)のデータベースで一元管理。完成物件には権原証書(Title Deed)、オフプラン(未完成物件)には政府登録(Oqood)が発行されます
- エスクローによる代金保全:オフプランの購入代金はデベロッパーの自由になる口座ではなく、政府監督下のエスクロー(信託)口座に入り、原則として、建設の進捗確認に応じて支払われます。2000年代の教訓を踏まえて整備された仕組みです(根拠法令:2007年ドバイ法第8号(ドバイ首長国における不動産開発のためのエスクロー口座に関する法律) 第3・7条/実務運用・公式サービス:建設進捗確認に連動した払出し(承認対象費用等の例外あり)〔DLD公式FAQ(dubailand.gov.ae)・ECR 25/2009〕(確認日:2026-07-16))
- 厳格なAML/KYC規制:疑わしい取引の未報告だけで最大AED100万の罰金など、業者側に重い法的義務が課されています(AML規制の解説)
危ないのは、この正規ルートの外側で行われる取引です。つまり確認すべきは物件ではなく業者と手続きです。
契約前に必ずやるべき4つの照会(すべて無料・数分)
- 業者の免許確認:DLDブローカー登録簿またはDubai RESTアプリで、会社のORN・担当者のBRNを照会(当社の場合:ORN 47845/BRN 78735。ドバイ政府(DLD)公式評価4つ星)。アブダビはADRECディレクトリで照会(当社:20260000902169)
- プロジェクト登録の確認:オフプランならDLDのプロジェクト登録とエスクロー口座の存在を確認
- 広告の真正性確認:物件広告のTrakheesi許可番号・Madmoun QRコードを確認
- 支払先の確認:オフプランの支払先が政府監督のエスクロー口座か確認。④支払先が開発業者名義またはエスクロー口座であることを確認してから送金する(ただし、人気物件の場合、即座の予約金支払いを求められることも珍しくはありません。ここはより仲介会社の信用性が重要になるポイントです。予約金は、部屋の確保後に頭金へ充当され、確保できなかった場合は返金されるのが一般的です)
出典:本章の記載(DLDブローカー登録簿/Dubai REST、DLDプロジェクト登録・エスクロー、Trakheesi・Madmoun、エスクロー口座)を工程化。2026年7月時点
実際の失敗はどこで起きるか(現場からの実例)
当社に寄せられる相談で多い失敗パターンは、詐欺そのものよりも「割高購入」(相場を知らずに買う)、「実質利回りの見込み違い」(管理費・チラー費の見落とし)、「出口の想定不足」(供給集中エリアでの転売難)の3つです。いずれも契約前のデータ確認で防げます。
4. いくらから買えるか+日本の不動産投資との違い
最小予算はスタジオ・1BRで3,000万円台から。当社の日本人投資家の確定取引(直近12ヶ月・約70件)の内訳です。
「富裕層だけの市場」ではありません。東京都心の新築マンション価格帯で、ブルジュ・ハリファを望む立地や人工島のウォーターフロントに手が届く——これがドバイの価格感覚です。
日本の不動産投資と何が違うのか(比較表)
| ドバイ | 日本(参考) | |
|---|---|---|
| 外国人の所有権 | 指定エリアで完全所有権(フリーホールド) | 制限なし |
| グロス利回り | 平均6.58%(4〜9%) | 東京平均3.59% |
| 個人の家賃・売却益への現地課税 | 非課税(日本側課税は別途) | 所得税・住民税・譲渡所得税 |
| 取得時の税・登録料 | DLD 4% | 不動産取得税・登録免許税・印紙税等 |
| 新築の買い方 | オフプラン中心(頭金20%+進捗連動払い・エスクロー保全) | 完成売買中心・手付金 |
| ビザ・居住権 | AED200万以上で10年ゴールデンビザ申請可 | — |
| 賃貸借の商慣習 | 年間賃料一括前払いが主流(小切手分割も) | 月払い+敷金礼金 |
| 価格の通貨 | AED(米ドルペッグ)=実質ドル資産 | 円 |
特筆すべきは最後の行です。AEDは米ドルに固定(ペッグ)されているため、ドバイ不動産の保有は実質的にドル建て資産の保有を意味します。円資産に集中している日本の投資家にとって、利回りと同時に通貨分散が達成できる点は、東京のもう1戸と比較する際の本質的な違いです。
5. 利回りの実態:平均6.58%の中身
2026年6月時点のドバイ市場全体の平均グロス(表面)利回りは6.58%。エリア・物件タイプによって概ね4〜9%の幅があり、当社の日本人投資家が多く選ぶ中価格帯エリア(JVC、エマールサウス等)では7〜8%前後が標準的です。プレミアム立地(ダウンタウン、パームジュメイラ等)は4〜6%と低めですが、その分キャピタルゲインと資産保全性で選ばれます。
主要都市との比較では、東京のグロス利回りが平均3.59%、シンガポールが3.06%(いずれもGlobal Property Guide集計)。ドバイは主要国際都市の約2倍の利回り水準にあり、かつ個人の家賃収入にUAE側の所得税がかかりません。
ドバイは市場平均でも東京の1.8倍。高利回りエリアなら9%台の実測値も
出典:ドバイ=DLD系データ当社集計(2026年6月)、東京=Global Property Guide(2025年Q3)、シンガポール=同(2026年Q2)。DIP=Dubai Investments Park実測値。青=ドバイ、灰=比較都市
| 実測データ(2026年6月) | グロス利回り |
|---|---|
| ドバイ市場平均 | 6.58% |
| Dubai Investments Park | 9.34% |
| International City | 8.79% |
| DAMAC Hills 2 | 8.71% |
| Dubai Sports City | 8.13% |
| (参考)東京 平均 | 3.59% |
| (参考)シンガポール 平均 | 3.06% |
表面利回りに騙されないために:実質利回りの計算
広告の「利回り」は多くが表面(グロス)です。実質利回りを見るには、そこから次を差し引く必要があります:年間管理費(サービスチャージ、目安は物件により年40〜50万円程度)、冷房(チラー)費の負担区分、賃貸付け手数料(年間賃料の5%)、空室期間。一般にネット利回りはグロスより1〜1.5ポイント低下します。
当社では物件ごとに実費ベースの収支表を提示しています。「7%です」とだけ言うエージェントには、内訳を必ず確認してください。
長期賃貸か、短期賃貸(ホリデーホーム)か
運用は年間契約の長期賃貸だけではありません。ドバイはDTCM(観光局)のライセンス制度のもとで短期賃貸(ホリデーホーム運用)が合法的に整備されており、マリーナやダウンタウンなど観光需要の厚いエリアでは、稼働率次第で長期賃貸を上回る収益も狙えます。
ただし2026年は注意が必要です。紛争の影響でドバイ空港の旅客数は第1四半期に前年比約2割減となり、短期賃貸市場は2026年内は低迷、回復は2027年からというのが当社の見立てです。短期賃貸前提の収支計画は、この回復シナリオを織り込んで保守的に組んでください。長期賃貸への影響は軽微で、賃料は緩やかな軟化にとどまっています。
日本に住みながら行う賃貸管理
日本に住んだままでも運用はできます。現地の管理会社に委託し、賃貸付け・入居対応・修繕手配・入出金の報告を任せるのが一般的な形です。委託先を決める前に、次の5点を契約条件として確認してください。
- 賃料の受け取り方:ドバイは年間賃料の一括前払いが主流で、小切手による分割も使われます。受け取りを現地口座にするか、管理会社経由にするかを決めます。購入自体に現地口座は必須ではありません(第8章)
- 賃貸契約の登録:賃貸借契約はEjari(公式登録)を行います。登録の実務を誰が担うかを確認します
- 費用の負担区分:サービスチャージ(年40〜50万円程度・物件により変動)、チラー費(地域冷房)、賃貸仲介手数料(年間賃料の5%)を、誰がいつ支払うかを決めておきます
- 報告の頻度と言語:入出金・修繕・契約更新時期を、日本にいて把握できる頻度と言語で受け取れるかを確認します
- 空室と更新の想定:空室期間と更新交渉の方針を、購入前の収支計画に織り込みます(実質利回りは前節のとおりグロスより1〜1.5ポイント下がります)
受け取った家賃は、日本の居住者であれば日本側で不動産所得として確定申告の対象です(第11章)。必要経費の範囲や申告実務は確定申告の実務で解説しています。
6. エリアの選び方(9エリア比較+戦略3類型)
第1部で見たとおり、2026年の相場は二極化しています。エリア選びの軸は「高利回り(インカム)型」か「資産保全・値上がり(キャピタル)型」か——まず全体像を1枚で掴んでください。
左上=インカム(利回り)ゾーン、右下=資産保全ゾーン。単価と利回りは概ねトレードオフ
出典:当社エリアガイド想定値(2026年7月、1AED=44円・2026年7月11日時点換算)。縦軸=想定表面利回りレンジの中央値、横軸=平米単価レンジの中央値。アンバー=パームジェベルアリのみ「値上がり期待枠」(年間想定+9〜12%と別格のため色分け)
| エリア | 想定表面利回り | 年間想定値上がり | 平米単価目安 | タイプ |
|---|---|---|---|---|
| JVC | 7〜9% | +5〜7% | 約47〜76万円/m² | 高利回り・新興 |
| エマールサウス | 6〜8% | +7〜9% | 約40〜66万円/m² | 高利回り・成長 |
| ドバイマリーナ | 5〜7% | +6〜8% | 約98〜126万円/m² | 成熟・流動性 |
| クリークハーバー | 5〜7% | +7〜9% | 約90〜114万円/m² | 新興・メトロ延伸 |
| ドバイヒルズ | 5〜6% | +7〜9% | 約85〜104万円/m² | ファミリー・成長 |
| ダウンタウン | 4〜6% | +6〜8% | 約133〜140万円/m² | 資産保全・象徴 |
| DIFC | 4〜6% | — | 約118〜142万円/m² | 金融街・賃貸需要 |
| パームジュメイラ | 4〜6% | +6〜8% | 約147〜158万円/m² | 希少・プレミアム |
| パームジェベルアリ | 4〜6% | +9〜12% | 約142万円/m² | 再始動・値上がり期待 |
数値は2026年7月時点の想定・参考値(1AED=44円・2026年7月11日時点換算)。将来の成果を保証するものではありません。各エリアの詳細分析:ドバイ全エリアガイド
利回りと値上がり期待は必ずしも二者択一ではない。エマールサウスとクリークハーバーは両軸で中位以上
出典:直前のエリア比較表(当社エリアガイド想定値・2026年7月時点、1AED=44円・2026年7月11日時点換算)の各レンジ中央値をプロット。DIFCは値上がりの想定値を置いていないため未掲載。ダウンタウンとパームジュメイラは中央値が同一のため同一点にまとめて表示。想定値であり将来の成果を保証しません
供給データも必ず織り込む
高利回りエリアは、同時に供給リスクも高い——この表裏を理解した上で選定してください。2027年の供給集中はJVC(16,852戸)・Business Bay(10,127戸)などに偏っています。ただし前述のとおり、供給「計画」は56%程度しか実現しないのが過去実績です。
供給リスクを測るときは、計画戸数に過去の実現率(56%)を掛けて読む
出典:DLD系データ・当社集計(エミネンス・レポート2026年上半期)
目的別・モデル戦略3類型
当社の日本人投資家の実際のポートフォリオは、概ね次の3類型に収れんします。ご自身の目的に近いものを起点にしてください。
| ①インカム型 | ②バランス型(最多) | ③キャピタル・ビザ型 | |
|---|---|---|---|
| 目的 | 賃料収入の最大化 | 賃料+値上がりの両取り | 値上がり益・10年ビザ |
| 主なエリア | JVC、エマールサウス | クリークハーバー、マリーナ、ヒルズ | パームジェベルアリ、ダウンタウン、パームジュメイラ |
| 予算目安 | 3,000万〜8,000万円 | 8,000万〜1.5億円 | 8,800万円(AED200万)〜 |
| 想定表面利回り | 7〜9% | 5〜7% | 4〜6% |
| 物件タイプ | スタジオ〜1BRのオフプラン | 1BR中心(当社取引の51%) | 1〜3BR、ブランドレジデンス |
| 注意点 | 供給集中エリアのため出口時期の設計が必須 | 実質利回りの検証(管理費・チラー) | 流動性より希少性。長期保有前提 |
7. デベロッパーと「オフプラン/完成物件」の選び方
エリアの次は「誰が建てるか」と「どの段階で買うか」です。ドバイのオフプラン投資は、物件のスペックと同じくらいデベロッパーの信用力が重要です。主要各社の性格は明確に異なります。
- Emaar:最大手・DFM上場。ブルジュ・ハリファとダウンタウン一帯の開発元。引き渡し遅延リスクが相対的に低く、初めての1社として定番
- Sobha:設計から施工まで自社一貫(下請け非依存)の品質重視派
- DAMAC:Versace等とのブランドレジデンスが主力。話題性と規模(単日販売のギネス世界記録保持)
- Nakheel:政府系。パームジュメイラ・パームジェベルアリの人工島開発の本家
- Binghatti:Bugatti・Mercedes-Benz公認タワーとJVC量産供給の二刀流
- Aldar:アブダビ最大手。ヤス島物件は利回り7.5〜8.5%訴求+登録税実質0%キャンペーンの実績
オフプランと完成・中古物件の違い(どちらを選ぶべきか)
オフプランが選ばれる理由は設計上の優位です。①頭金20%+進捗連動の分割払いで資金効率が高い、②買主側の仲介手数料がゼロ(デベロッパー負担。直販でもエージェント経由でも買主の支払額は同一)、③完成までの値上がりを取り込める、④ドバイなら累計24%支払いでゴールデンビザ申請が可能(第12章)。
一方の完成物件(レディ物件)は、引き渡しリスクがなく、購入後すぐ賃料が入り、実物と実際の賃料を確認してから買える確実性が強みです。「値上がりと資金効率のオフプラン、確実性とキャッシュフローの完成物件」——目的がインカムか、キャピタルか、ビザかで最適解は変わります。
その完成物件には、デベロッパーから直接買う完成在庫と、既存の所有者から買う中古(セカンダリー)の2つがあります。中古は買い方が変わるため、次の3点を分けて確認してください。
- 費用:中古は仲介手数料2%+VATが買主負担になります(オフプランはゼロ・第9章)。取得直後からサービスチャージ等の保有コストも始まります
- 手続き:Form F(MOU)で条件を確定し、デベロッパーからNOC(無異議証明書)を取得したうえで、名義移転の手続きに進みます
- 入居中の物件:賃借人がいる状態で買う場合は、既存の賃貸契約の期間・賃料・更新条件と、Ejari登録の内容を契約前に確認します
資金効率・値上がり・ビザ申請の早さならオフプラン、即時の賃料と確実性なら完成・中古
| 判断軸 | オフプラン(未完成) | 完成・中古(レディ/セカンダリー) |
|---|---|---|
| 資金の入り方 | 頭金20%+建設進捗に連動した分割払い | 契約時に代金を決済(ローン利用時は各行の条件による) |
| 買主の仲介手数料 | ゼロ(デベロッパー負担。直販でも買主の支払額は同じ) | 2%+VAT 5%(買主負担) |
| 賃料が入り始める時期 | 完成後(完成まで1〜4年程度) | 購入後すぐ(入居中の物件は既存契約の条件を確認) |
| 実物の確認 | 完成前のため図面・仕様書で判断 | 現物と実際の賃料を確認してから買える |
| ゴールデンビザ | ドバイは累計24%の支払い(Oqood発行)時点で申請可 | 登録評価額AED200万以上で申請可 |
| 主に見るリスク | 引き渡しの遅延、完成時期の供給集中 | 取得直後から管理費・修繕の負担が始まる |
| 向いている目的 | 資金効率・値上がり・ビザ申請の早さ | 即時のインカム・確実性 |
出典:本ガイド第9章(購入時・保有時の費用一覧)、第12章(ゴールデンビザの要件)および本章の記載を判断軸ごとに整理。2026年7月時点
なお2026年の交渉環境は買い手に有利です。停戦後の回復局面でもデベロッパーは表面価格を維持したまま、支払いスケジュールの後ろ倒し・登記費用(4%)の負担・引き渡し後の利回り保証といった条件譲歩を提示するケースが増えています。同じ物件でも「どの条件を引き出せるか」で実質価格は数%変わります。
8. 購入の流れ7ステップとローン・銀行口座
日本からの購入手順:問い合わせからTitle Deed取得まで
日本に住んだまま進める場合も、工程そのものは現地で買う場合と同じです。異なるのは「どの工程が日本から完結し、どの工程に立ち会いまたは代替手段が要るか」です。まず全体の7ステップを見てください。
- 情報収集・戦略設計——目的(利回り/値上がり/ビザ)と予算から候補を絞る。エリア×デベロッパー×供給計画の3点で比較
- 申込(Booking / Form F / MOU)——物件の仮押さえ。オフプランは申込金、中古はMOU締結
- 売買契約(SPA)締結——契約書は英文。当社では弁護士資格を持つ代表がリーガルチェックを実施
- 初期支払い——オフプランの頭金目安は20%。送金はAED建て。支払先がエスクロー口座であることを必ず確認
- 政府登録——オフプランはOqood発行(通常数週間)、完成物件はTitle Deed取得。ここでDLD登録料4%を納付
- 分割払い(オフプランの場合)——建設進捗に連動してエスクロー経由で支払い。完成まで1〜4年
- 引き渡し・運用開始——竣工検査(スナッギング)→賃貸付け→運用レポート→出口(売却)まで
8工程のうち日本から進められないのは引き渡しのみ。それもPOA(委任状)か書類の郵送で代替できる
出典:本章の購入7ステップと第10章(引き渡しの実務)の記載を工程化。2026年7月時点の一般的な流れ
必要書類は驚くほどシンプルで、基本はパスポートのみで購入手続きを開始できます(AML/KYC上、資金の出所確認書類等が求められる場合があります)。現地に行かずに日本からの遠隔完結も可能で、当社の取引でも来訪なしの購入は珍しくありません。全プロセスは日本語で完結します。Oqood、SPA、スナッギングなど本記事に登場する専門用語は、ドバイ不動産用語集(90語・弁護士監修)でいつでも確認できます。
日本在住・UAE非居住者が購入する場合の必要書類
購入手続きの開始に必要な本人確認は、有効期限内のパスポートが基本です。そのうえで、次の書類が求められることがあります。「必ず全部要る」ではなく、「どれが要るかを契約前に確認する」ものとして読んでください。
- パスポート(共同名義なら全員分)——名義をどう置くかは、のちの相続・売却にも影響します(第11章・第13章)
- 資金の出所を示す資料——AML/KYC上、購入資金の原資を確認する書類の提出を求められる場合があります
- 送金元口座が本人名義であること——名義が一致しないと照会・差し戻しの原因になります(次項)
- 公証委任状(POA)——代理人が手続きする場合。公証・領事認証などの実務を伴うため、必要になる時期から逆算して準備します(第10章)
- ローンを利用する場合の追加書類——取扱銀行ごとに条件・必要書類が異なるため、申込前に銀行へ確認します
英語の売買契約(SPA)で確認する5つの条項
売買契約は英文です。契約内容はデベロッパー・物件ごとに異なるため、一般論で安心せず、次の5点が自分の契約書にどう書かれているかを署名前に確認してください。
- 解約(キャンセル)——買主が支払いを止めた場合の扱いと、デベロッパー側の事由で解約になった場合の返金条件
- 遅延——引き渡しの予定時期、遅延が生じた場合の猶予期間と、補償や解約権の有無
- 引渡し——何をもって引き渡し完了とするか(完成通知・引き渡し日の定義)と、保証の起算日、瑕疵担保期間の範囲(第10章)
- 転売(アサインメント)——完成前の転売が認められるか。認められる場合の条件(支払い割合・デベロッパーの承諾・手数料)
- 紛争解決——準拠法と管轄(ドバイの裁判所か、DIFCか、仲裁か)、および手続きの使用言語
日本語訳を用意する場合でも、正本がどちらかを契約書で確認します。契約書の読み方は売買契約書(SPA)の注意点でも解説しています。
日本からの送金:支払先・名義・着金差・資金源の確認
送金は、購入手続きの中で最も取り返しがつきにくい工程です。実務では次の5点を、送金の前に書面で確認します。
- 支払先——オフプランの代金は政府監督のエスクロー口座へ支払います(第3章)。支払先と決済のタイミングは物件の種別で変わるため、請求書と契約書の口座情報を照合します
- 名義——送金人の名義は、原則として購入者本人と一致させます。第三者名義の送金は、AML/KYC上の照会や差し戻しの原因になります
- 着金差——請求はAED建てです。円建てで送る場合、為替と送金手数料の分だけ着金額が想定を下回ることがあり、不足分の追加送金が必要になります。着金ベースで請求額を満たす前提で組みます
- 資金源の確認——購入資金の原資を示す資料を求められる場合があります。日本側でも、金融機関から送金目的や原資の確認を受けることがあります
- 詐欺防止——支払先が開発業者名義またはエスクロー口座であることを確認してから送金すること(第3章)。加えて、口座情報の変更連絡がメール等で届いた場合は、そのメールに返信せず、既知の連絡先へ別経路で確認します
現地口座の要否と開設の実務はUAE銀行口座開設ガイドにまとめています。
ローンは使えるか
使えます。UAE中央銀行の規制上、上限は居住区分と物件価格で決まります。
金利水準は概ね3〜5%台(2026年、固定期間・条件により変動)です。
銀行口座は必要か
購入自体は日本からの海外送金で完結でき、口座は必須ではありません。ただし家賃受け取りや管理には現地口座が便利です。居住ビザ(+エミレーツID)があれば個人口座の開設は比較的容易で、ゴールデンビザ取得後に開設する流れが実務的です。詳細はUAE銀行口座開設ガイドで解説しています。
9. 購入時・保有時の費用一覧
| 項目 | 金額・率 | 備考 |
|---|---|---|
| DLD登録料(登録税) | 物件価格の4% | 慣習上買主負担(アブダビは2%) |
| 仲介手数料(中古) | 2%+VAT 5% | オフプランは買主負担ゼロ(デベロッパー負担。直販でも価格は同じ) |
| 登記トラスティ事務手数料 | AED 4,000+VAT | AED50万超の物件(未満はAED2,000) |
| 権原証書発行 | AED 580 | 完成物件 |
| モーゲージ登録(ローン利用時) | ローン額の0.25%+AED290 | |
| 購入時コスト合計の目安 | 約7〜10% | Property Finder集計と当社実務の一致値 |
| 年間管理費(サービスチャージ) | 年40〜50万円程度 | 物件・広さで大きく変動 |
| 賃貸仲介手数料 | 年間賃料の5% | 賃貸付け時 |
中核はDLD登録料の4%。中古に加わる仲介手数料2%+VAT(=2.1%)が、オフプランでは買主負担ゼロになる
出典:Property Finder「DLD Fees Dubai」(2026年2月)および当社実務値
初期費用の96%はDLD登録料と仲介手数料の2つ。定額の実費は縮尺では見えないほど小さい
出典:上の費用一覧の率・定額(DLD 4%/仲介2%+VAT 5%/登記トラスティAED4,000+VAT/権原証書AED580)をAED200万(約8,800万円)の完成・中古物件に当てはめた試算。1AED=44円・2026年7月11日時点換算。実額は物件・売主・利用するローンにより変わります
ドバイ×アブダビの費用比較は取引費用の一覧ページに常時最新版を掲載しています。
10. 引き渡し(ハンドオーバー)の実務と費用
オフプランは、建物の完成がゴールではありません。デベロッパーから最終引き渡し通知(Final Handover Notice)を受け取り、残代金と費用を精算し、竣工検査を経て鍵を受け取り、電気・水道を開通させて、はじめて運用が始まります。ここでは手続きの一般的な流れと要件を説明し、費用は実額の一例を添えます。
本章の読み方(一般の話と、一例の数字)
手続きの流れ・必要要件は、ドバイのオフプランに広く共通する一般的な内容です。一方、費用の具体的な金額は、当社代表が個人で保有するドバイ物件の一つ(スタジオタイプ・3,000万円台)で実際に受領した引き渡し通知(HRE Development、2026年7月/鍵の受け取りは同年8月開始予定)と支払い記録に基づく一例です。金額・内訳はデベロッパーや物件(地域冷房の有無など)で変わります。
完成から鍵の受け取りまでの流れ=一般的な流れ
以下は、ドバイのオフプランに広く共通する流れです(実際の引き渡し通知の順序に沿って整理しています)。
- 完成通知の受領——建物完成証明書(BCC)取得後、デベロッパーが最終引き渡し通知を発行。通知には「ビルディング・ハンドオーバー・デート」(引き渡しと保証の起算日)が明記されます
- 残代金・費用の支払い——通知の発行から30日以内が原則。権利証発行料や各種チャージを指定の法人口座へ送金します。分割払いプランなら残回分のPDC(先日付小切手)も提出します
- 引き渡しアポの予約——引き渡しチームにユニット番号を伝えて予約します(予約制・先着順。予約なしの引き渡しはできません)
- 内見と竣工検査(スナッギング)——金銭手続きの完了後にウォークスルー。契約(SPA)上は1回の検査で、不具合をリスト化して署名し、是正を求めます
- 是正と引き渡し完了アポ——エンジニアリングチームが7〜10営業日で是正(着手は支払い完了後)。完了後に改めて予約し、本人が立ち会って引き渡しを完了します
- 鍵・書類の受領——鍵・リモコン・駐車区画番号、支払完了証明、管理会社とガス事業者の連絡先、白物家電の保証データなどを受領。DLDでの権利証(Title Deed)手続きが開始されます
引き渡し時にかかる費用=考え方は一般/金額は一例
引き渡し時に請求される費用は「ハンドオーバー費用」と一括りにされがちですが、実態はメーターの設置と権利証発行の実費です(この考え方は物件を問わず共通します)。金額は物件ごとに違うので、イメージをつかむために一例をお見せします。
一例:当社代表が保有するスタジオ(3,000万円台)の引き渡し通知より(HRE Development・2026年7月)
| 項目 | 金額 | 内容 |
|---|---|---|
| BTUメーター | AED 2,100 (約9.2万円) | 地域冷房(district cooling)の使用量を計測するメーターの設置・立ち上げ費用。冷房事業者が消費量を課金するために必要 |
| DEWAメーター | AED 550 (約2.4万円) | 電気・水道(DEWA)の計測メーター。DEWA網への接続インフラにかかる費用。DEWA側に直接支払う保証金・接続手数料とは別(後述) |
| 権利証発行 (Title Deed / Pre-Title Deed) | AED 1,350 (約5.9万円) | 引き渡し段階で所有権書類を作成・発行するための手数料 |
| 合計 | AED 4,000 (約17.6万円) | デベロッパー指定の法人口座へ送金し、送金確認を提出 |
この物件(スタジオ・3,000万円台)の一例です。金額・内訳はデベロッパーや物件で変わります。
金額に関わらず共通する考え方として、権利証発行料は購入時に払ったDLD登録料(物件価格の4%)やOqood(オフプラン登録)手数料とは別物で、二重課金ではありません。DLD登録料は「オフプラン売買契約そのものの登録」に対する費用、権利証発行料は「引き渡し段階で所有権書類を発行する」ための費用と、対象が違います。
なお、BTUメーターは地域冷房を採用する物件に固有の費用です。個別エアコンなど冷房方式が異なる物件では発生しません。取得時・保有時の費用全体は取引費用の一覧ページで解説しています。
立ち会いと、日本にいるまま受け取る方法=一般
引き渡しは、原則として購入者本人(共同購入者がいれば全員)が、エミレーツIDまたはパスポート原本を持って立ち会います。ただし、渡航できない場合の道も用意されています。
- 公証委任状(POA)で代理人を立てる——原本のPOAと、代理人のパスポート写しを提出します
- 書類を郵送で受け取り、署名して返送する——署名済み書類と支払いが揃えば、引き渡し成立として扱われます。国際郵送費は所有者負担です
この仕組みがあるため、ドバイのオフプランは日本にいるまま引き渡しまで完結することも可能です。ただしPOAは公証・領事認証などの実務を伴うので、購入の段階から段取りを見ておくと安全です。
DEWA(電気・水道)とチラー・ガスの開通=要件は一般/金額は一例
メーターの設置費用(上記の引き渡し費用)とは別に、実際にサービスを開通させる手続きと費用がかかります。支払先が分かれるので、混同しないよう整理します。
- DEWA(電気・水道):登録は引き渡し手続きの必須要件で、引き渡しアポの前に所有権移転(登録)を済ませます。完成日以降、登録前は室内の電気・水道が使えません。保証金と接続手数料はDEWAへ直接支払います。これは引き渡し費用に含まれるDEWAメーター(デベロッパーへ)とは別枠・別の支払先です。保証金の領収書原本は、鍵の受け取り時に持参します
- 地域冷房(チラー)・ガス:建物によっては、冷房やガスの事業者との別手続きがあります。連絡先は引き渡し時に受領します
(参考・一例)上記スタジオの通知では、DEWAへの保証金が約AED 2,000(約8.8万円)、接続手数料が約AED 130。金額は区分・時期で変わります。
竣工検査(スナッギング)と1年間の瑕疵担保(DLP)=一般
引き渡し時の竣工検査(スナッギング)で記録した不具合は、支払い手続きの完了後にエンジニアリングチームが是正します(目安7〜10営業日)。引き渡し後は、ビルディング・ハンドオーバー・デートから1年間の瑕疵担保期間(DLP=Defects Liability Period)が付きます。設備の故障・不具合が対象で、通常使用による摩耗や、過失・不適切な使用による不具合は対象外です。白物家電はメーカー保証が付きます。窓口は管理会社(Owners Association Management Company)です。
引き渡し日以降は、所有者に維持管理・付保の責任が移ります。受け取らずに空室のまま放置すると、その間に生じた損害はDLPの対象外になります。運用開始まで含めて段取りしておくのが安全です。
サービスチャージ(管理費)は後から確定することがある=一般
物件によっては、引き渡し時点でサービスチャージ(年間管理費)の額がまだ確定していないことがあります。ドバイのサービスチャージはDLD(RERA)の承認を経て決まるため、承認後に全所有者へ通知される流れです。年間の保有コストを見積もる際は、この点を織り込んでおくと安全です(管理費の目安は本ガイドの利回り・費用の各章を参照)。
鍵を受け取って終わりではない。賃貸付け、サービスチャージの確定、瑕疵担保(DLP)の終了までが1年目
出典:本章(引き渡しの実務・DLP・サービスチャージ)、第5章(賃貸管理)、第11章(日本側の申告)の記載を時系列に整理。手続きの流れは一般的な内容で、時期は物件・デベロッパーにより変わります
引き渡しで確認すべき項目を、スナッギング検査・是正確認・引き渡し後の保護(範囲)まで一覧にし、印刷用チェックリストにまとめた実務ガイドを別に用意しています → 引き渡し(ハンドオーバー)とスナッギング検査の実務。
11. 税金:UAE側はゼロ、日本側で何がかかるか
UAEには個人の所得税がなく、家賃収入も売却益も現地では非課税です(個人保有の場合。法人保有はUAE法人税0〜9%の検討要素あり)。ただし、日本の居住者は全世界所得課税の対象です。「ドバイなら無税」という説明は半分しか正しくありません。日本側で押さえるべきは次の4点です。(関連法令:2022年連邦令法第47号(法人および事業に対する課税に関する法律・法人税法) 第3条・閣議決定116/2022(0%は課税所得AED 375,000以下の部分))
日本居住者の税務:家賃・売却益・為替・相続の4点
- 家賃収入:不動産所得として総合課税。日本の給与等と合算され、確定申告が必要
- 売却益:譲渡所得として分離課税。保有5年超で約20%(20.315%)、5年以下で約39%(39.63%)。判定は「売却年の1月1日時点」の保有期間で行う点に注意
売却益への日本の税率(保有5年以下・短期譲渡)
約39%
所得税30%+住民税9%+復興特別所得税=39.63%
売却益への日本の税率(保有5年超・長期譲渡)
約20%
所得税15%+住民税5%+復興特別所得税=20.315%。判定は売却年の1月1日時点
- 為替:現地価格が同じでも円安が進めば円建ての譲渡益が発生します(購入時より円安になった分だけ、現地価格が不変でも課税対象益が生じる。具体的な2時点の試算例は売却益の課税で解説)
- 相続・法人:日本の相続税は全世界財産が対象。UAE法人での保有は外国子会社合算税制(CFC)の検討が必須
UAE側が非課税でも、日本の居住者は家賃・売却益・相続のいずれも日本の課税対象
| 論点 | 日本の居住者(日本在住のまま購入) | 日本の非居住者(UAEへ移住した場合) |
|---|---|---|
| 課税範囲 | 全世界所得が日本の課税対象 | 原則として国内源泉所得のみが対象。UAE不動産から生じる所得は原則として対象外 |
| 家賃収入 | 不動産所得として総合課税。確定申告が必要 | 原則として日本の課税対象外 |
| 売却益 | 譲渡所得として分離課税(保有5年超 約20%/5年以下 約39%。判定は売却年の1月1日時点) | 原則として日本の課税対象外 |
| 為替 | 現地価格が同じでも、円換算で課税対象の利益が生じることがある | — |
| 相続 | 原則として全世界の財産が相続税の対象。海外不動産は時価ベースの評価 | 住所・国籍・過去の居住歴などの要件により課税範囲が変わる |
| UAE側の課税 | 個人保有であれば、家賃収入・売却益とも現地では非課税(法人保有はUAE法人税0〜9%の検討要素あり) | |
| 居住者かどうかの判定 | 住所・生活の本拠など実態で判定される。移住時は国外転出時課税(出国税)の検討が必要 | |
| 二重課税の調整 | UAEでは控除対象となる外国所得税が基本的に生じないため、外国税額控除で日本側の税負担が下がることは基本的にない | |
出典:本ガイド第11章および当研究所の税務ガイド(日本居住者の課税関係)。2026年7月時点の一般的な情報であり、個別の税務判断ではありません。実行前に税理士等の専門家にご確認ください
相続は、税額の話と「誰にどう引き継がせるか」という承継の手続きの話が別々にあります。海外不動産は評価が時価ベースになりやすく、遺言の有無で承継の進めやすさも変わるため、購入の名義を決める段階から見ておくテーマです。
詳細は税目別に解説しています:税金ガイド総論/売却益の課税/日本居住者の課税関係/確定申告の実務/相続税/法人スキーム。相続・承継の実務サポートは継(つぐ)|ドバイ不動産の相続サポートでご案内しています。
12. ゴールデンビザ:AED200万と「24%ルール」
登録評価額AED200万(約8,800万円・1AED=44円・2026年7月11日時点換算)以上の不動産を取得すると、10年間有効(要件維持で更新可能)のゴールデンビザを申請できます。配偶者・子も対象に含められ、年収要件はありません。複数物件の合算も可能です。(根拠法令:2022年閣議決定第65号(2021年連邦令法第29号〔外国人の入国・居住法〕の施行規則) 附属規則第1条・第8条)
実務上もっとも重要なのが、ドバイ特有の「24%ルール」です。オフプランの場合、物件を完済する必要はなく、累計24%(頭金20%+DLD登録料4%)を支払ってOqoodが発行された段階で申請できます。つまり約2,100万円程度の初期資金で10年ビザへの道が開けるケースがあります(AED200万物件の場合)。ローン付き物件も、AED200万相当の支払済みを証明する銀行レター等の条件を満たせば対象です(DLD公式要件)。アブダビは原則全額支払い後の申請となる点が異なります。(実務運用・公式サービス:累計24%+Oqood発行段階での申請(CR65に記載のないドバイの行政実務)〔GDRFAドバイ 投資家サービス/DLD公式要件(2026-07-16確認)〕(確認日:2026-07-16))
AED200万のオフプラン物件の例。完済を待たず、支払い24%の時点で10年ビザに申請できる
出典:DLD公式要件・当社実務(2026年7月時点)。アブダビは原則全額支払い後に申請
申請費用は本人でAED 9,884.75程度(DLD経由)。手続きの詳細と最新要件はゴールデンビザ完全ガイドで解説しています。
13. 出口戦略:買う前に「売り方」を決めておく
ドバイ投資の成否を最終的に決めるのは出口(売却)です。買う前に、以下の3つを設計しておくことを強く推奨します。
- 売却タイミングと日本の税率:保有5年以下の売却は日本側で約39%、5年超なら約20%の課税です(第11章)。完成前転売(アサインメント)や短期での利益確定は、税引き後リターンで必ず比較してください。
- 流動性の見極め:成熟エリア(マリーナ、ダウンタウン)は買い手層が厚く売りやすい一方、供給集中エリアは完成ラッシュ時に売り物が競合します。同時期・同エリアに何戸出てくるかを購入前に確認するのが鉄則です(図7)。
- 為替の設計:AED/円は直近1年で39.05円→44.28円(+13.4%)と円安が進みました。円建てリターンは「現地価格×為替」の掛け算です。売却代金をAEDのまま次の投資に回すか、円転するかで結果は大きく変わります。円転タイミングも含めて出口です。
売却と、日本への資金回収
売る側になったときの実務は、買うときの裏返しです。手続き・費用・送金の3つに分けて、購入前に見通しを持っておいてください。
- 手続き:買主の条件をForm F(MOU)で確定し、デベロッパーからNOC(無異議証明書)を取得したうえで名義移転の手続きに進みます。ローンが残っている場合は完済と担保の抹消が前提になります
- 費用:仲介手数料、NOCの手数料、(ローンがある場合の)抹消関連の費用が発生します。誰がどれを負担するかは契約で決まるため、売り出し条件を決める段階で確認します
- 資金の回収:売却代金はAED建てで入ります。日本へ送るときは、購入時と同様に名義の一致と資金の説明が必要です。円転のタイミング次第で円建ての手取りが変わるため、売却の意思決定と円転の意思決定を分けて考えます
- 税:日本の居住者であれば、売却益は日本側で譲渡所得の対象です(保有5年超 約20%/5年以下 約39%、判定は売却年の1月1日時点・第11章)。現地価格が同じでも円換算で利益が生じることがあります
売却益と為替の扱いは売却益の課税、申告実務は確定申告の実務で解説しています。
当社は仲介で終わらず、保有中の運用レポートと売却(再販)までワンストップで支援しています。購入時に出口まで含めた収支シミュレーションを提示できるのは、売買の実データを自社で持っているからです。
根拠法令・関連法令
- 根拠法令:2007年ドバイ法第8号(ドバイ首長国における不動産開発のためのエスクロー口座に関する法律) 第3・7条(オフプラン代金のプロジェクト名義エスクロー口座への預入)
- 根拠法令:2022年閣議決定第65号(2021年連邦令法第29号〔外国人の入国・居住法〕の施行規則) 附属規則第1条・第8条(ゴールデンビザ(10年・更新可・投資家AED200万の要件))
- 関連法令:2022年連邦令法第47号(法人および事業に対する課税に関する法律・法人税法) 第3条・閣議決定116/2022(0%は課税所得AED 375,000以下の部分)(法人保有のUAE法人税(0%/9%)の枠組み)
- 実務運用・公式サービス:エスクロー口座からの払出し運用(法8/2007単独の根拠とせず運用資料を併記)〔DLD公式FAQ(dubailand.gov.ae)・ECR 25/2009〕(確認日:2026-07-16)
- 実務運用・公式サービス:累計24%+Oqoodでのゴールデンビザ申請(行政実務・取得実績)〔GDRFAドバイ 投資家サービス/DLD公式要件(2026-07-16確認)〕(確認日:2026-07-16)
法令の内容は改正され得ます。各法令の参考訳・改廃関係・公式原文リンクはUAE法令データベースで確認できます(参考訳・法的助言ではありません)。
14. よくある質問
- Q1. 今から買うのは遅くないですか?暴落しませんか?
- 2026年上半期は戦時下でも取引が止まらず、停戦後は取引件数が前月比+31%反発しました。市場は二極化しており、「どこでも上がる」局面は終わっています。エリア選定が決定的に重要です(第1章・第6章)。
- Q2. 詐欺が心配です。どう見抜けばいいですか?
- ①Dubai RESTアプリで業者のORN/BRNを照会、②オフプランはDLDプロジェクト登録とエスクロー口座を確認、③広告のTrakheesi番号を確認、④支払先が開発業者名義またはエスクロー口座であることを確認してから送金する(人気物件では即座の予約金支払いを求められることも珍しくなく、仲介会社の信用性が重要になります。予約金は部屋の確保後に頭金へ充当され、確保できなかった場合は返金されるのが一般的です)。この4点でリスクの大半は排除できます(第3章)。
- Q3. ドバイ不動産はいくらから購入できますか?
- スタジオ・1BRなら3,000万円台から可能です。当社の日本人投資家の中央値は約8,800万円、平均約1.30億円、最多は1BR(51%)です。
- Q4. 利回りは実際どのくらいですか?
- 市場平均グロス6.58%(2026年6月)。エリアで4〜9%の幅があり、中価格帯は7〜8%前後、プレミアム立地は4〜6%。実質利回りはここから1〜1.5ポイント程度下がります(第5章)。
- Q5. 住宅ローンは日本人でも使えますか?
- 使えます。居住者は最大LTV80%、日本在住のままなら実務上60〜65%が目安(オフプランは一律最大50%)。金利は3〜5%台(2026年、条件による)です。
- Q6. 現地に行かなくても購入できますか?
- 可能です。必要書類は基本的にパスポートのみ。契約・送金・政府登録(Oqood/Title Deed)まで日本から遠隔で完結でき、当社の取引でも現地来訪なしの購入は珍しくありません。全プロセス日本語対応です。
- Q7. 購入から引き渡しまでの流れと期間は?
- 申込→SPA契約→初期支払い→政府登録→(オフプランは進捗連動払い)→引き渡し。完成物件は最短数週間、オフプランは1〜4年程度です(第8章)。
- Q8. 購入時の諸費用は合計いくらですか?
- DLD登録料4%が中核です。中古は仲介手数料2%+VATが加わり合計は物件価格の約7〜10%、オフプランは仲介手数料が買主負担ゼロのため約4.9〜7.9%が目安です(第9章)。
- Q9. 日本に住んだまま買うと税金はどうなりますか?
- UAE側は個人の家賃・売却益とも非課税ですが、日本側で課税されます。家賃は総合課税、売却益は保有5年超で約20%・5年以下で約39%です(第11章)。
- Q10. ゴールデンビザは本当に取れますか?いくら必要ですか?
- 登録評価額AED200万(約8,800万円)以上で申請可能です。ドバイのオフプランなら累計24%の支払い(Oqood発行)時点で申請でき、完済は不要。ローン利用時も銀行レター等の条件で対象になります(第12章)。
- Q11. 購入後の賃貸管理はどうすればいいですか?
- 現地管理会社への委託が一般的です。年間管理費は物件により40〜50万円程度、賃貸付け手数料は年間賃料の5%が標準。当社は購入後の運用・売却(出口)までワンストップで対応します。
- Q12. 法人で買うべきですか?個人で買うべきですか?
- 多くの場合、まず個人保有が出発点です。UAE法人保有は現地法人税(0〜9%)・維持コストに加え、日本のCFC税制(外国子会社合算課税)の検討が必須で、設計を誤ると個人より不利になります。相続対策や複数物件の規模が出てきた段階で、税理士を交えて個別設計するテーマです(参考:法人スキーム解説)。
- Q13. 引き渡し(ハンドオーバー)のときに追加でかかる費用はありますか?
- 鍵の受け取り時に、メーター設置や権利証発行の実費として引き渡し費用がかかります。金額は物件で異なります。一例として、当社代表が保有するスタジオ(3,000万円台)の通知では合計AED 4,000(約17.6万円)で、内訳はBTUメーター(地域冷房)AED 2,100、DEWAメーター AED 550、権利証発行 AED 1,350でした。このほか、DEWA(電気・水道)の保証金・接続手数料がDEWA側に別途かかります(同物件では保証金 約AED 2,000・接続 約AED 130)(第10章)。
- Q14. 引き渡しに立ち会えない・日本にいる場合はどうすればいいですか?
- 本人(共同購入者を含む)の立ち会いが原則ですが、公証委任状(POA)で代理人を立てるか、引き渡し書類を郵送で受け取り署名して返送する方法があります。署名済み書類と支払いが揃えば引き渡し成立として扱われ、日本にいるまま完結することも可能です。国際郵送費は所有者負担です(第10章)。
市場・安全性について
価格・リターンについて
買い方について
買った後について
引き渡し・入居について
テーマ別の詳細ガイド(さらに深く知る)
本ガイドは全体像です。個別テーマは、それぞれの専門ページで一段深く解説しています。
本記事の信頼性と編集方針
本記事は、ドバイ土地局(DLD)登録ブローカー(ORN 47845/BRN 78735・政府公式評価4つ星)かつ国際弁護士である筆者が、一次情報(DLD・UAE中央銀行等の政府公表データ)と当社の確定取引データ(直近12ヶ月で約70件・約80億円(ドバイ・アブダビ))に基づいて執筆しています。すべての統計数値に出典と時点を明記し、市況の変化に応じて定期的に更新します(最終更新:2026年7月25日)。誇大な利回り表示や将来の断定は行いません。
運営者情報:会社概要(免許・実績)/免許・登録情報の照会方法/代表プロフィール
- Dubai Land Department(DLD)/Property Monitor データ・エミネンス・レポート2026年上半期(2026年7月)
- Dubai Land Department「Golden Visa – Investor」公式要件(2026年7月時点)
- Central Bank of UAE Rulebook「Regulations Regarding Mortgage Loans」(LTV規制、現行)
- Property Finder「DLD Fees Dubai」(2026年2月)
- Global Property Guide 各都市Rental Yields(東京2025年Q3/シンガポール・ドバイ2026年Q2)
- Cushman & Wakefield Core・Fitch Ratings 各市場予測(The National 2026年1月報道ほか)
- 当社確定取引データ(直近12ヶ月・約70件、2026年7月時点)