UAEの法体系|オンショアとフリーゾーンの二元構造
※ 本ページは2026年7月31日時点の法令・公表情報に基づきます。法令・施行日・閾値は改正が頻繁なため、実行前に一次出典および専門家にご確認ください。
UAEは連邦と7首長国の二層構造の上に、さらにフリーゾーン(FZ)という別法域が重なる国です。同じ「UAE進出」でも、オンショアかFZか、どの首長国かで適用される法令・登記当局・裁判所が変わります。適用法域の選択が、後続する会社形態・労務・税務の前提を決めます。
連邦法と首長国法の関係
UAEは連邦国家で、会社法・労働法・競争法・税制といった事業運営の基幹部分は連邦法が定めます。一方、不動産、地方免許、municipality規制などは各首長国が個別に規律します。ドバイとアブダビでは、同じ論点でも根拠法と手続が異なる場合があります。
法体系は大陸法(シビルロー)を基礎とし、家族法・相続など人事分野にはシャリーアが適用されます。法令の正文はアラビア語で、英訳は参考にとどまります。契約実務では、アラビア語版と英語版の優先関係が問題となります。
フリーゾーンという第三の層
UAEには40以上のフリーゾーンがあり、それぞれ独自の登記当局と規則を持ちます。なかでもDIFC(ドバイ国際金融センター)とADGM(アブダビ・グローバル・マーケット)は金融フリーゾーンで、UAE本土の民商事法が原則として適用されず、コモンロー系の独自法体系と専属の裁判所を備えています。
ADGMは英国法を直接適用する構造、DIFCは独自の成文法を整備する構造で、同じ「コモンロー系」でも設計が違います。UAE全体を単一の法系として説明することはできません。
| 連邦 | 会社法・労働法・競争法・税制・仲裁法など事業の基幹 |
|---|---|
| 首長国 | 不動産、地方免許、municipality規制。ドバイとアブダビで異なる |
| 一般FZ | 各ゾーン当局が登記・免許を所管。本土取引には制約 |
| DIFC・ADGM | 独自の成文法/英国法と専属裁判所。本土法は原則不適用 |
進出形態を決める順序
取得できる免許の範囲は、事業活動・首長国・法域(オンショアかFZか)・会社形態の組み合わせで決まります。本土の顧客に直接販売する事業の場合、フリーゾーン法人のみでは取引が完結しないことがあります。
この論点の要点
- 適用法域は本土・一般FZ・DIFC・ADGMの3系統に分かれる
- ドバイとアブダビでは根拠法と手続が異なる論点がある
- 法令の正文はアラビア語で、英訳は参考にとどまる
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One Asia Lawyers Group パートナー弁護士
本監修は「中東法務の森」の全ページを対象とします。最終確認日:2026年7月31日 / 更新方針:随時
プロフィール:One Asia Lawyers Group / Eminence Luxe / ブロックチェーン推進協会
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