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DUBAI COMPANY SETUP GUIDE 2026

ドバイ法人設立の完全ガイド【2026】— メインランドとフリーゾーンの違い・費用・ビザ・口座

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森 和孝国際弁護士/税理士/Eminence Luxe CEO(DLD登録ブローカー ORN 47845・ADREC 20260000902169)
96%ドバイ政府系フリーゾーンの稼働率(2026年上半期・DIEZ)
+13.2%ドバイの企業数 2025年の増加率(29.2万社・新規7.2万社)
100〜200万円法人設立費用(フリーゾーン〜メインランド)
1か月フリーゾーン 口座開設まで
ANSWER

ドバイの法人は、UAE国内の市場で営業するメインランド法人と、経済特区に置くフリーゾーン法人の2種類です。どちらも外国人が100%出資でき、フリーゾーンなら1か月ほどで銀行口座まで開設でき、費用は120万円前後。メインランドは2か月以上・200万円以上が目安です。

ただし、設立自体は難しくありません。相談が集中するのは「口座が開かない」「使えると思っていた免税が使えない」「選んだフリーゾーンで本業の許可が取れない」の3つで、いずれも設立前に知っていれば避けられます。

私は日本・UAE・シンガポールで弁護士として活動し、日本の通知税理士でもあり、ドバイでは不動産会社を含む3社を経営しています。私自身も投資家で、ゴールデンビザを保有しています。この記事はその立場から、相談の多い順に整理したものです。なお当社は不動産仲介会社であり、法人設立エージェントではありません。設立の実務は提携先をご紹介する形で支援しています。

最終更新 2026年8月21日(初版)。冒頭の数値: DIEZ 2026年上半期実績(2026年8月17日・ドバイ政府メディアオフィス)、ドバイ商工会議所 2025年実績(2026年1月14日発表)

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1. メインランドとフリーゾーンの違い

メインランド法人(LLC)フリーゾーン法人
監督官庁ドバイ経済観光局(DET)各フリーゾーン当局(ドバイだけで約30か所)
物理オフィス必須。設立時に当局の現地調査あり(個室が必要)フレキシデスク・バーチャル可のゾーンが多い
外資出資100%可(2021年会社法改正。戦略的業種を除く)100%可
UAE国内市場での営業2025年3月以降、DETの許可を取れば可(§2)
法人税9%(課税所得37.5万AED超)適格条件を満たせば0%。満たさなければ9%
設立の費用・期間200万円以上・2か月以上120万円前後・1か月程度(口座開設まで)
維持コストフリーゾーンの約2倍安いゾーンで年100万円弱
向く事業不動産仲介・飲食・小売など許認可業種、国内向け実業コンサル・IT・貿易・持株・資産管理

メインランドで一番使われる形態がLLC(有限責任会社)です。最近の規制緩和で、オフィスの点を除けば運営の負担はフリーゾーン法人とほとんど変わらなくなりました。

オフィス調査について。ドバイでは全ての賃貸借契約が当局に電子登録され(Ejari)、設立時にはDETが実際にオフィスを見に来ます。1人会社で自宅を拠点にする人のために、調査のタイミングに合わせて個室を貸すEjari登録済みオフィスのサービスが存在し、当局もこの仕組みを容認しています。利用は自己責任ですが、メインランドの「オフィス必須」が思うほど重くない理由はここにあります。

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2. 2025年3月の改正 — フリーゾーン法人もメインランドで営業できるようになった

以前のフリーゾーン法人はメインランドでの営業を禁じられ、国内に商品やサービスを出すにはローカルの代理店に20%ほどの手数料を払う必要がありました。これがフリーゾーン法人のほぼ唯一のデメリットでした。

改正前代理店経由のみ手数料 約20%
2025年3月3日〜DET許可で営業可行政評議会決定第11号

2025年3月3日施行のドバイ行政評議会決定第11号でこれが変わりました。フリーゾーン法人(DIFCの金融機関を除く)は、DETから次のいずれかを取得すればドバイ全域で営業できます。

  • フリーゾーンに本拠を置いたまま域外で営業する支店ライセンス: 年1万AED(約44万円。1AED=44円・2026年7月11日時点)
  • 特定活動の一時許可: 5,000AED(6か月・更新可)
  • 通常のメインランド支店ライセンス

条件は、メインランド分の会計を分離すること、活動がDET公表の対象リストに含まれること、改正前から域外営業していた法人は1年以内に是正することです。メインランド分の所得には9%課税がかかり、フリーゾーン所得の免税は維持されます。

「メインランド フリーゾーン 許可」への答えはこうなります。年44万円の許可でフリーゾーン法人のままUAE全土に出られる。ただし不動産仲介(RERA)、飲食(ドバイ市の食品許可)、医療・教育・金融など、業種固有のライセンスが要るものは今もメインランド法人でなければ取れません。当社の不動産仲介業がまさにそれで、Eminence Luxe はメインランドLLCとしてRERA(ORN 47845)とアブダビADREC(登録番号20260000902169)の免許を取得しています。自分の事業がフリーゾーンで運営できるかは、設立前に必ず確認してください。

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3. 法人税 — 9%、適格フリーゾーン免税、中小企業救済

UAEは2023年6月から法人税を導入しました。税率は9%で、課税所得37.5万AED(約1,650万円)までは0%です。ここから免税特例が2つあり、使い分けで税額が変わります。税務の判断は個別事情によるため、実行前に税理士の確認が必要です。

適格フリーゾーン免税(Qualifying Free Zone Person)

条件は、適格収入が総収入の95%超であること、フリーゾーンに十分な実体があること、監査済み財務諸表を提出することなどです。満たせば適格収入の法人税は0%になります。ただし不動産の売却益と賃料は適格収入から除外されているため、不動産収入が中心の会社ではこの特例は使えません。

中小企業救済(Small Business Relief)

売上300万AED(約1.3億円)以下の法人は、申告時に届け出れば法人税が免除されます。メインランド法人でも使え、不動産の売却益・賃料にも適用されます。2026年12月31日までに終了する事業年度が対象で、2027年以降の延長は未発表です。

適格フリーゾーン免税の届出をすると、中小企業救済は使えなくなります。不動産収入が中心なら、フリーゾーン免税の届出をあえてせず中小企業救済を使うのが有効です。

税額がゼロでも法人税の登録は必須です。設立から3か月以内にEmaraTaxで登録し、遅れると1万AEDの罰金です。申告は事業年度末から9か月以内、売上37.5万AED超でVAT(5%)の登録義務も別途あります。

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4. 口座が開かない — 最も多い相談

最近増えているのが「法人を作ったが銀行口座が開けない」という相談です。ドバイのローカルバンクは創業直後でも財務諸表や実績を求め、なかなか開けてくれません。

最も開設しやすいのがWIO Bank(アブダビ系のデジタルバンク)で、まずここで口座を開いて事業を始めるのが王道です。ただし原則として、WIO Bankは株主が法人の会社には口座を開きません。日本の会社の子会社として設立すると、この王道が使えず、親会社の実績を示して他のローカルバンクを待つことになり、数か月から半年のタイムロスが出ます。

法人で不動産投資をする場合は、専用のライセンスが別途必要で、銀行審査はさらに厳しくなります。急ぐ場合は、最初は個人株主で設立して口座を開き、あとからデット・エクイティ・スワップで子会社化する、といった設計が必要になるケースがあります。

個人で不動産を買うだけなら法人は不要です。日本に住んだまま、ドバイ国民と同じ条件で購入でき、当社提携の大手ローカルバンクならビザなしで個人口座も通常は開けます。外国の法人はドバイの不動産を直接は買えないので、法人で保有したい場合にだけUAE法人が要る、という順序です。

条文レベルの詳細はUAEの会社設立(中東法務の森)へ

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5. フリーゾーンの選び方

「事業をする場所のフリーゾーンを選ぶ」が基本です。

IFZA近年最も人気

ライセンス料が比較的安く、設立が速く、IT・コンサルなど幅広い業種に対応。不動産投資ができるライセンスも取得可能。以前はルールが曖昧と敬遠されたが、改善されている

アル・マクトゥーム国際空港(Dubai World Central)の空撮
ドバイサウス(Dubai South)最近人気

アル・マクトゥーム国際空港とエキスポシティに隣接する新興エリアで、物流・航空・EC系に加え、エリア開発に伴って一般業種の登録も増えている

DMCC登録社数最多(2万社超)

体感では銀行口座が開きやすい。ライセンス料はIFZAの倍近く

DIFC金融・フィンテック向け

UAE法ではなくイギリス法(コモンロー)が適用。2026年上半期に登録企業が1万社を突破。ライセンス料は最も高い部類。2025年改正のメインランド許可の対象外

アブダビ目的別のゾーン

金融特区ADGM(イギリス法。リーム島・アルマリヤ島が適用エリア)、クリーンテック・AI向けのマスダールシティFZ、物流・製造のKEZAD、メディアのtwofour54、航空のADAFZ。アブダビで事業をするならアブダビのゾーンが適していることが多い

ドバイのゾーンより安い。ドバイで実業をするなら、首長国は法的に別の国と考えたほうがよくイレギュラー時に面倒になるため、ドバイの法人のほうが安心。一方、安価にとりあえず口座やビザを確保したい、という目的なら一案

エージェント選び

フリーゾーン法人の急増に合わせて設立エージェントも急増し、杜撰な業者による被害が出ています。一度決めたエージェントは当局に登録され、変更には原則そのエージェントの承諾が要ります。長く付き合う相手なので、この記事に書いてある程度のことを知っているか、いくつか質問して確かめてから決めてください。

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6. 設立の手順

事業活動コードの決定必要な追加許可・ビザ枠・銀行審査の難易度がここで決まる
商号予約・初期承認
定款作成・認証通常は数日。ただし株主が日本法人の場合、登記事項証明書・取締役会決議の公証、外務省・UAE大使館認証が必要で、日本側で2〜3週間かかる。UAEはハーグ条約非加盟のためアポスティーユは使えない
オフィス契約とEjari登録(メインランド)/ パッケージ選択(フリーゾーン)
ライセンス発行
エスタブリッシュメントカード → 居住ビザ申請 → 健康診断 → Emirates ID
法人税登録(EmaraTax)
法人口座開設
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7. ビザ — ドバイは複数の会社で働ける

法人設立で取れるのは2年有効の投資家ビザで、家族の帯同ビザも法人をスポンサーに申請できます。不動産経由なら別ルートがあり、200万AED以上の取得で10年のゴールデンビザ。2年の投資家ビザは、2026年4月のDLDのルール改定で単独所有なら物件価格の下限がなくなりました(共有の場合は1人あたり40万AED以上。完成物件で権利証が発行済みであること)。詳しくはゴールデンビザの条件へ。

日本人にとって大きいのが働き方の自由度です。シンガポールなど多くの国では就労ビザを出した会社以外で働くことも、複数の会社を経営することも原則禁止ですが、ドバイでは就労ビザ元の会社の承認があれば労働許可を取って複数の会社で働けます。私自身、ゴールデンビザの取得前はコンサル会社から自身にビザを発行しながら3社を経営していて、これに特別な許可は要りませんでした。

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8. 日本側の税務

ドバイ法人を作った日本人が最終的に詰まるのは日本側です。

外国子会社合算税制

日本居住者が50%超を保有する外国法人で実効税率が20%未満の場合、その所得は日本の株主に合算課税されます。法人税0%のフリーゾーン法人は典型的な対象で、現地の事務所・人員・管理支配の実体がなければ「ドバイで節税」は成立しません

居住者判定

UAEの居住ビザがあっても、家族が日本に残り本人が年の大半を日本で過ごせば日本の居住者のままで、全世界所得に課税されます

国外転出時課税

1億円以上の有価証券等を持って出国すると含み益に課税されます

よくあるご質問

フリーゾーン法人でもドバイ国内のお客さんと取引できますか?
2025年3月の改正以降、DETの許可(年1万AED)を取ればできます。ただし不動産仲介や飲食など業種固有の免許が要る事業はメインランド法人が必要です。
日本の会社の子会社として作るべきですか?
口座開設を優先するなら、まず個人株主で設立するほうが早く進みます。WIO Bankは法人株主の会社に口座を開きません。子会社化は後からでもできます。
不動産の賃料収入がメインでも法人税0%にできますか?
適格フリーゾーン免税は不動産収入を対象外にしています。2026年中は売上300万AED以下なら中小企業救済で免除できます。
日本にいながら設立できますか?
フリーゾーンの多くは渡航なしで設立できます。居住ビザの健康診断と銀行面談には渡航が必要です。
法人を作れば日本の税金はかかりませんか?
かかります。日本の居住者である限り全世界所得課税で、合算税制の対象にもなります。
SUMMARY

まとめ

ドバイの法人設立で最初に決めるのは、顧客がどこにいるか、本業に固有の免許が要るか、株主を個人にするか法人にするか、の3つです。この3つで形態・フリーゾーン・口座の難易度がほぼ決まります。2025年の改正でフリーゾーンから始めてメインランドに出る道が開いたので、迷うならフリーゾーンで小さく始めて、許可を足すのが安全です。

当社はUAE法弁護士・日本の税理士・現地の不動産ブローカーの立場から、法人設立の設計、提携エージェントの紹介、オフィス・住居の手配、日本側の税務まで一体で相談を受けています。無料相談からご連絡ください。

著者の顔写真
森 和孝

One Asia Lawyers パートナー弁護士(日本法・UAE法・シンガポール外国法弁護士)、通知税理士、中小企業診断士、適格機関投資家。Eminence Luxe Founder/CEO(RERA ORN 47845・ADREC 20260000902169)。ドバイで3社を経営。

出典: ドバイ行政評議会決定第11号(2025年)— Dubai Legislation Portal(条文・料金)/連邦令法律第47号(2022年)法人税法・内閣決定第100号(2023年)適格フリーゾーン・閣僚決定第73号(2023年)中小企業救済/UAE連邦税務庁(FTA)法人税ガイド・DET・ICP ゴールデンビザ要件/国税庁 外国子会社合算税制・国外転出時課税

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