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2022年連邦令法第41号(民事身分法・非ムスリム向けパーソナルステータス法)

監修:森 和孝(国際弁護士・税理士)

公式英訳に基づく日本語参考抄訳(2026年7月17日再検証)

連邦 法令 現行(施行中)

基本情報

正式名称(アラビア語正文)未収録
公式英語名Federal Decree-Law No. (41) of 2022 On the Civil Personal Status
日本語参考名2022年連邦令法第41号(民事身分法・非ムスリム向けパーソナルステータス法)
種別連邦令法(法令)
番号/年Federal Decree-Law No.41 of 2022
発出日2022-10-03
官報掲載日2022-10-10(官報737号別冊)
施行日2023-02-01
状態現行(施行中)
最終改正
改正確認日2026-07-17
発出主体連邦 (AE)
人的適用範囲非ムスリムのUAE国民およびUAEに居住する非ムスリムの外国人(第1条。本国法の適用主張・他法制の選択合意の余地あり)
現行性の確認公式ポータル上Active。連邦令法41/2024(新パーソナルステータス法・2025-04-15施行・旧2005年法を代替)も同時にActiveであり、41/2024には非UAE国民に及ぶ規定も存在するため適用範囲は重なり得る。両法の適用関係(特別法優先・当事者の法選択・非ムスリム特則)は事案別に確認する。本法第1条が参照する旧民法(1985年法5号)は連邦令法25/2025(新民事取引法・2026-06-01施行)により廃止済み。第1条の明示参照の関係は新民事取引法の対応規定・特別法優先・具体的事案を踏まえた解釈を要する(第11条3項の一般的な「民事取引法」参照は、同日以後は現行の連邦令法25/2025を指す)。

要点解説

UAEに居住する非ムスリム外国人と非ムスリムのUAE国民に適用される、婚姻・離婚・相続・遺言・親子関係の民事的枠組みです。相続では、登録された遺言があればそれに従い、遺言がない場合は遺産の2分の1が配偶者に、残りの2分の1が子に男女の区別なく均等に分配されます(第11条2項)。外国人の相続人には、登録遺言による別段の定めがない限り、民事取引法の定めに従い準拠法の適用を求める余地があります(第11条3項)。ただし、準拠法のルールは2026年6月1日施行の新民事取引法(連邦令法25/2025)に置き換わっており、同法は相続に原則として被相続人の死亡時本国法を、遺言に遺言者の選択法・本国法等を置く一方、UAE所在の不動産に関する外国人の遺言にはUAE法を適用する規定を含みます(同法第17条。物権の所在地法=第18条、特別法優先=第22条とあわせて検討が必要)。「本国法を選べる」とだけ理解すると、UAE不動産と遺言に関する例外を見落とすため危険です。個別の資産構成・国籍・遺言の有無により結論が変わる、専門家との設計が前提の領域です。

日本語参考訳

(参考訳・相続関連を中心とする主要条文)

第1条(適用範囲)

  1. 本法の規定は、非ムスリムのUAE国民およびUAEに居住する非ムスリムの外国人に適用される。ただし、婚姻・離婚・相続・遺言・親子関係の証明に関して本国法の適用を主張する場合はこの限りでなく、また(旧)連邦法1985年第5号第12条・第13条・第15条・第16条・第17条の規定を妨げない。
    【注記】本項は旧1985年民法の法令番号・条番号を明示しているが、同旧法は連邦令法25/2025(新民事取引法)により2026年6月1日に廃止された。同公布令には他法令中の参照を一括置換する明文が確認できないため、第1条の参照関係は新民事取引法の対応規定、特別法優先及び具体的事案を踏まえた解釈を要する。他方、第11条3項の一般的な「民事取引法」参照については、同日以後は現行の連邦令法25/2025を参照する。
  2. 本法の適用対象者は、本法に代えて、国内で現に施行されている家族・身分関係を規律する他の法制の適用に合意することができる。
  3. 本法の規定は、施行後に発生した事象に適用される。

第11条(遺言と無遺言相続)

  1. 遺言者は、施行規則が定める統制および条件に従い、UAE国内で所有する財産の全部を、遺言により自己が選択する者へ遺贈することができる。
  2. 遺言がない場合、遺産の2分の1は夫または妻に帰属し、残りの2分の1は男女の区別なく子に均等に分配される。死亡者に子がいない場合、遺産は存命の父母に均等に帰属し、一方が死亡している場合はその2分の1を存命親に、他の2分の1を死亡者の兄弟姉妹に帰属させる。配偶者・子・兄弟姉妹がなく親の一方のみ存命の場合は全遺産がその親に帰属し、父母とも死亡している場合は全遺産が兄弟姉妹に男女の区別なく均等に帰属する。
  3. 前項の規定にかかわらず、外国人の相続人は、登録された遺言による別段の定めがある場合を除き、民事取引法に定めるところに従い、遺産に適用されるべき法の適用を申し立てることができる。
    【現行の読み方】ここでいう民事取引法は、2026年6月1日以降は新民事取引法(25/2025)である。同法第17条は、相続に被相続人の死亡時本国法を原則としつつ、UAE所在不動産に関する外国人の遺言にはUAE法を適用する。第18条(物権の所在地法)・第22条(特別法優先)も併読を要する。

第12条(相続手続マニュアル) 内閣は、本法の適用対象者のための相続手続マニュアルを発行する。

第13条(遺言の登録) 本法の適用対象者の遺言は、施行規則の定める手続に従い、所定の登録簿に記録される(登録の要件・手続は施行規則CR122/2023第27条、有効要件は同第28条)。夫婦は、婚姻契約の締結時に、いずれかが死亡した場合の財産の分配方法を示す遺言登録フォームに記入することができる(第13条2項)。

本ページは相続関連を中心とする主要条文の参考抄訳です。未掲載条文(婚姻・離婚・親子関係・経過/雑則の各条)は公式原文をご確認ください。

実務への影響

「継」の理論的出発点。実務の主要な分岐は、①登録遺言の作成(本法+CR122/2023の登録制度/DIFC Wills等の別制度)、②無遺言なら第11条2項の法定分配(配偶者1/2・子は男女均等)、③相続人による準拠法の申立て(第11条3項→新民事取引法25/2025経由)——ただしこの3つは常に排他的な三択ではなく、第1条の適用除外・法選択、新民事取引法のUAE不動産・遺言の例外(第17条)、物権所在地法(第18条)、特別法優先(第22条)、DIFC Wills/ADJDの制度が重なり合う。事案ごとの準拠法・裁判管轄・資産所在地の確認が前提であり、当ページの免責(専門家相談)が最も強く機能すべき領域。アブダビにはアブダビ法14/2021が併存(連邦×首長国の二層構造の典型例)。

関連ページ

改廃関係

この法令の施行規則・下位規則

関連法令(改廃関係以外で本法の運用に関係する法令)

公式リンク

免責

本ページの日本語訳は参考訳です。UAE法令の正文はアラビア語であり、英語版も公式・非公式の翻訳です。解釈に相違がある場合はアラビア語正文が優先します。また、UAEは連邦法と各首長国法の二層構造を持ち、ドバイとアブダビでは適用される法令や制度が異なる場合があります。個別の取引・法人設立・居住・相続にどの法令がどう適用されるかは、状況により判断が分かれる専門的な論点です。本ページは一般的な情報提供であり、法的助言ではありません。具体的な適用関係は必ず専門家にご相談ください。円換算はすべて参考表示です(1 AED = 44円、2026-07-16換算。法的な基準額はAED表記が正です)。(参照した英語版:UAE Legislation公式ポータル(uaelegislation.gov.ae)/取得日:2026-07-17/改正確認日:2026-07-17)

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改訂履歴

2026-07-16初版公開(相続関連を中心とする参考抄訳)
2026-07-17第11条1項(遺言可能の原則)を公式本文に基づき確定。第1条の旧民法参照の注記を、新民事取引法(25/2025)への接続は解釈を要する旨の記載に改めた

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